センシティブ♥ボーイ
第17章 好きなタイプ
一度だけ佐藤の携帯を見たことがあるけど、佐藤のはガラケーだった。
まだそんなの使えんのみたいな、分厚い折りたたみ式のやつ。
ていうか、これ電話か?
メールかもしれないと思ったけど
ブーブーブー
ブーブーブー
また鳴り出すバイブ音に電話だとわかった。
俺が出るわけにもいかねーしな。
バイブの音はすぐにやんで、また数分すると鳴り出す。
もしかして、佐藤の母さんかな。
なんかあったのか?
佐藤のバッグを取り出して、ちっちゃな表示画面を見てみると、ディスプレイには『圭ちゃん』の文字。
「圭ちゃんって…あの従兄弟…」
またぴたりと止む。
そして、また数秒後に
ブーブーブー
ブーブーブー
バイブ音。
「ああもう…!……もしもし」
しつこく鳴る電話に出ると、向こうからは呑気な声が聞こえてきた。
『もしもし?たかちゃん?俺だけど』
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