センシティブ♥ボーイ
第15章 ヤキモチ
溜息を吐いて下駄箱に向かう。
ずっと、今までは一人だったからなれているはずなのに。
最近はずっと鈴木くんと帰って鈴木くんと一緒にいたから、一人でどうしていたか忘れてしまったみたいだ。
寂しいなあ…
靴を履いてトントンとつま先を床を叩いた時。
「待たせてごめんな。」
鈴木くんの声が聞こえる。
あ…!
反射的に体が動いて声のする方に向かってしまう。
だけど見た瞬間、なぜかすごく後悔した。
鈴木くんが優しく見つめる相手はーー、
可愛らしい女の子。
「ううん、今日もいつものところでいい?」
「おう。真由美今日は何時まで平気?」
「えーっと…」
何だかその場にいられなくなって、走って校舎から飛び出した。
まゆみ、さん……
最近帰ってくれなくなったのは、あの真由美さんって人と一緒にいるからだ…
真由美さんって…たしか、
鈴木くんが持ってきてくれた、ノートの人…っ
もしかして…デート、なのかな…
デートってことは…
二人は恋人同士ってこと……?
ズキン、
心臓が悲鳴を上げるように痛んだ。
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える