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「待てって！」
力強い腕に静止させられた。
「その涙ってなんの涙？泣きたいのは俺だよ？
まさか女に、好きな女に遊ばれるなんてさ！」

違うって言いたいのに、声にならない。
本当に違うのか自信も持てない。
でもね？好きなの…この気持ちは本当なの

ただこんな気持ち初めてだから

うまく言えない
うまくなくてもいい自分の気持ち伝えたいけど
言えないよぉ…

「違うなら、せめて否定してよ？俺だって、男だって傷つくんだよ？」

「ちが…すき…なの」
やっとそれだけ言えた。

彼はギュっと抱きしめて言ってくれた。

「すぐに答えはいらない。始まったばかりだから。
まだお互いを知っていこう？
悩みや困ってることあるなら、一緒に解決していこう？」

たまらず嗚咽が漏れ出した。

やっぱり私は黙って頷いてばかりだった。