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遠距離愛

第24章 それから…

佐江はあれから、頻繁に顔を出して様子を伺いに来てくれる。
今は、佐江が来てくれることが小さな安心感になっていた。

「知紗
酷なようだけど、赤ちゃんを産む決心はついた?」

まだ…どうしていいのかわからなくて…

「藤木くん、赤ちゃんできたの楽しみにしてたんじゃないの?」

でも…一緒に喜んでくれるはずの彼はいない…
この子を愛せるのか不安なの…

自分の親に愛されなかった生い立ちや、彼に頼りっ放しだった私は、自分の弱さに完全に支配され、
不安で押しつぶされそうだった。


「決めるのは知紗だから、これ以上は言えないけど…不安と後悔どっちが重いのか、よく考えてみて?」

不安と後悔?

「とにかく、また来るからね」そう言って佐江は帰って行った。


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