
百鬼夜行左藤家黙示録
第8章 初恋のゆくえ
義明は親友にでも裏切られた
かのような表情でいたが
とどのつまり知り合いでしかない私としては
当然の対応だったにちがいない
それに少し酷い言い方だったが
これが義明のためだとも思った
そもそも校内において
9割以上の男女が理由こそ数多だが
義明を避けているのにも関わらず
そこの輪に入り込むには
これはもう人間性を改めるしかないだろう
しかしそれは今まで語ってきた通り
不可能中の不可能
麟角鳳嘴の領域である
つまり天涯孤独の修羅たる義明に
恋愛だの友情だのいった生ぬるい世界は
一寸の必要性も無いのだ
これまでもそしてこれからも
