
百鬼夜行左藤家黙示録
第14章 友情の価値は
しかし何日たっても義明は現れなかった
これはただ事では無いと言うことだ
昔まだ幼小期に大きな公園にある
トランポリンで遊んだとき
跳ねて飛んでおもいっきり沈んだら
さらに大きな跳ねをした記憶がある
それは沈めば沈んだだけ高く舞い
その沈んでいる時にこそ楽しみがあった
まさにこんな時の義明はその沈みであり
溜めた分だけ大きな力を吐き出す
「ピンポーン」
そしてそれは今まさに始まるだろう
そう確信するほど嫌な予感の拭えない
このインターホンの音は
憂鬱や悲哀を孕んだ弔鐘のように聞こえた
