百鬼夜行左藤家黙示録
第12章 激闘雀鬼
実は義男は
元々無法の限りを尽くす暴徒ではなく
不正な賭事に熱を上げる博徒だったのでは
こう考えると
この巧みな技術を操る義男にも
そして今にいたるまでの
過程も少しずつ見えてくる
しかし義男がそんな不誠実な事に身を削り
そしてある種の技術を確立し
利得を蝕むような人物だったとは
あまりに意外である
そんな想像の最中
脳裏に一閃の雷鳴駆け抜ける
私は知っているのだ
そんな人物像にぴったりの男を
そう義明だ
当初の予定を忘れていた私が
ふと彼に目を向ければ
そこには憧れに似た感動した眼差しがあった
そして確信する
蛙の子は蛙というのなら
逆に義明の親は義男であるという事を
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