 
バラードは君だけに
第9章 本心
今日は保護者会の日だ。
ーーーー
教室の前で順番を待っているのは、花澤さん親子と私。
教室ではサオリ親子が面談中だ。
その次が私の番だけど、湊さんは…まだ来ていない。
私はなんだか申し訳ない気持ちになっていた。
湊さんだって色々忙しいのに、保護者会なんてどうだっていい事をお願いして。図々しかったな。
そんな事を考えて待っていると、長い廊下の向こうから教室を確かめながら歩いてくる、人影が見えた。
ドクン、
湊さんっ!
私はイスから立ち上がって、大きく手をふった。
彼が私に気づいて駆け寄ってくる。
「はぁ、はぁ…良かった、遅刻するかと思った」
「今日は、よろしくお願いします」
「うん」
そんな私達を、花澤さん親子は不思議そうに見ていた。
 
 作品トップ
作品トップ 目次
目次 作者トップ
作者トップ レビューを見る
レビューを見る ファンになる
ファンになる 本棚へ入れる
本棚へ入れる 拍手する
拍手する 友達に教える
友達に教える