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「うう～寒いねえ！」

亜子は白いマフラーを口元まで引き上げた。

「明日は雪かもって天気予報で言ってたよ。」

晴もコートに首を埋めながら空を見上げる。

「おーい！おまたせ！」

そこに走ってきたのはジャージ姿の蓮。

「蓮、寒くないの？その格好。」

「ぜんぜん！さっきまで走ってたからむしろ暑い。」

信じられないという目で二人は蓮を見る。

「腹減ったー！早く帰ろうぜ！」

三人は並んで歩き始める。

季節は高校2年生の12月。

もうすぐ一年が終わろうとしている。

「そうだ、明日からうちのクラス転校生が来るんだって。」

さっき帰りのホームルームで担任からあった話だ。

亜子は同じクラスだから知っているが、特進クラスの晴は知らない情報だ。

「へえ、こんな時期に。珍しいね。」

「どんな子なんだろうね～！」

そんな会話をしながら蓮は亜子のマフラーにのった髪の毛をみた。