
私の彼は****が好き
第9章 誰にも渡さない……っ
*
「……あ、じゃああたしこっちなんで……!先輩さようなら!」
自分の乗る電車がホームに着ていた。
ドアが閉まる前にかけ込むと。
なぜか矢野先輩も乗り込んできた。
「……!?」
「言ったろ?オレもこの電車だって」
「……あ、そっか」
「お前ホントあの頃と変わってねーな。ボーッとしてるし、人の話すぐ忘れるし」
「……えへ、すみません…」
「えへ、じゃねーよ。そんなんだから痴漢に遇うんだろ」
「……。」
あたしは前から矢野先輩の、こういうちょっと"俺様な"ところが苦手。
この強引さが好きって子もいるけど、あたしはなんか嫌だった。
だいたいつき合ってないのに"お前"とか呼ばないで欲しいな……!
