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Gentle rain

第7章 心と体

「太我。」

「ん?」

「出張から帰ってきた割には、いいシャツを着ているな。」

「そうかな。」

少し疲れているせいなのか、それとも自分の自宅という事が、余計な力を抜かせているのか、彼は俺の知っている以上に、リラックスしている様子だった。

「兄さんにはね。甲斐甲斐しく世話をしてくれる人がいるのよ。」

「へえ。」

美雨が嬉しそうに、俺に報告する。

「へえって、階堂にもいるじゃないか。世話してくれる人が。」

「まあ…な。」

否定もしなかった俺に、疲れていた太我が急に身体を起こした。

「やっぱり噂は本当だったのか。」

「噂?」

太我はようやく、美雨の作ったオムライスを、頬張りだした。

「ああ、階堂と森川社長のお嬢様が、結婚するんじゃないかっていう噂。」

その途端、キッチンからガシャンッという音が聞こえた。

「おい!大丈夫か?美雨。」

大我に声を掛けられた美雨からは、返事がない。

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