
Slow🎵Step 〜不器用な二人のラブストーリー
第2章 Step 2
さて、と…
課題終わらせないと
「いっちゃん、ありがと、お疲れ様でした」
「いえ」
「里見さん、論文の相談ですって?」
「ああ、頑張ってるな、彼は相変わらずだな、院に進むらしいよ」
「まあ、そうですか」
「私の教え子の中でも一二を争う秀才だな」
「お父さん鼻が高いですね」
「そうだなあ」
「ごちそう様でした… 私は課題があるので失礼します、おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
「おやすみなさい」
この日、ずいぶん遅くまでかかってやっと課題が仕上がった
ああ… 寝不足だ
酷い顔…
「おはようございます」
「ああ、おはよう」
「いっちゃん、あなた、昨日何時まで起きてたの? 大丈夫なの?」
「ん、ちょっと寝不足」
「心配だわ」
一果はストレートの黒髪を春風になびかせて学校までの道を歩いていた
下を向いて歩くのが一果の癖だ
未熟児で産まれた小柄な一果が更に小さく見える
実は入学当初から一果のことを密かに狙っている男子生徒は少なく無かった
