甘い果汁
第8章 とろける果汁
「何その量…」
茜が苦笑いしながら、私の手に持っている袋を指差した。
「これ? 悠也、もうすぐ誕生日だからケーキ作ろうかと…」
明日は貴方の誕生日。
とびっきり、美味しいのをプレゼントしたい。
悠也は、ショートケーキが好きだから買ってきたけど…
買いすぎた。
――――――…
「できたぁあああああっ!」
イチゴをデコレーションして、やっと完成した。
作り始めてから5時間は経ってる。
(悠也、喜んでくれるかなぁ…)
自然と笑いがこぼれた。
「一人でニヤニヤして怖いでーす」
「うわっ!!!!!! お、お兄ちゃん、怖いよ、そんな影から見られてたら」
「あは… お前は浮かれてていいな…」
お兄ちゃんは、超苦笑いをしながらリビングのソファーに腰掛けた。
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