甘い果汁
第4章 悩む果汁
「失礼します…」
血がだらだらでるのを手で押さえながら、
私は保健室のドアを開けた。
「はーい…亜衣ちゃん…
ってわああ!どうしたの?!早く座ってぇえっ!」
「狩野先生…そんなに慌てなくても…」
あたふたする先生は、まるで子供のようだ。
「転んだのねーっ、足上げて…
消毒するよ…」
「はーい……」
狩野 まや
保健室の美人天然先生だ。
狩野先生が私の足に消毒する。
ふわっと、花の香りがした。
「っはい! でーきたできた。これで大丈夫だよ。
……亜衣ちゃん、ベッドで寝ていきな…?」
「えっ……?」
「…先生にはお見通しよ…
昨日お菓子食べ過ぎて胸焼けしていることを! はいはいはい、ベッドにゴーゴー」
「………………はいっ」
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える