テキストサイズ

エスキス アムール

第27章 彼とのカスタム

【波留side】





「波留くん、今日みてみて!!
ケーキ!美味しそうじゃない?」



彼は、また
ふたり分のケーキを買って
帰ってきた。


「深夜にケーキ屋やってるの?」

「深夜に開店するケーキ屋が
吉祥寺にあるんだよ」

「…吉祥寺まで行ってきたの?」



どうりで、
今日はいつもにも増して
帰りが遅いと思った。

わざわざ、
俺のために吉祥寺まで行ってきたっていうのか?

彼は嬉しそうに
ほら見てみてと、ケーキの箱を開けてみせた。


それは、とても美味しそうで。
思わず声が漏れる。
その反応に、また嬉しそうに
彼は笑った。



「なんか…俺にできることある?」


いつもいつも、
そうして俺のことを考えてくれるので、最初が家事だけやってれば
いいかなと思ってたけど

そうもいかなくなった。



その言葉に
彼はケーキのクリームを口につけたまま目をぱちくりした。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ