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斉藤太一です

第14章 変わらない僕・変わらない君


でも

そんなことは
できなくて…



結局



かすみの

「行こ?」

と言う声で
傘をたたんで
コンビニに入った



その時

僕の
左肩は
びしょ濡れだった



お弁当を選んで


レジに並んでいると


そのことを
かすみに知られてしまい



「私にばかり
傘をさしてたら
風邪ひいちゃうから…」


かすみは

タオルのような
ハンカチで

優しく
肩をふいてくれた





なんだか






泣いてしまいそうだった






コンビニを
出るとき


自動ドアのそばに
売り物のビニール傘が
沢山置いてあった






僕は




その傘に

気付いていたけど





かすみも多分

気付いていたけど





2人とも

その傘には
触れず





僕たちは



また



ひとつの
傘の中に

おさまっていた



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