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暗闇で恋しましょう

第10章 お買い物3

そういえば、私、泣いてない。


この年で、はぐれて泣くのはどうかと思うし、これが普通ではあるけれど。


泣いているその子より、自分が上だと感じちゃった私。


実際、いろんな意味で上なんだけど。


じわじわ湧き出る優越感には勝てず。



「……( ・`ω・´)」



無意味なドヤ顔をその子に向け、放つ。



いやはや、私も大人になったということなんでしょう

貴方も大人になれば、はぐれた程度で焦らない

私の様な立派な大人になれるよ



たかが泣いてないというだけで、謎エールを送る私。


本当にこんなことしてる暇はないんだけど。


改めて感じちゃったりするんだ。


自分の気持ちの変化に。


あの子くらいの時の私が、今この状況に立たされたら、きっと真っ先に思いつくのは






逃げること







それが今では、真逆で



“ひぃちゃんに会わなきゃ”



って思ってる。


きっと、正しいのは逃げる方の考えなんだろうけど。


正解不正解はこの際関係ないのだ。


私はひぃちゃんに恋してしまったんだから。


さて、1人で物思いに耽るのもここまで。



ひぃちゃんと再会しなきゃ



私は再度、フードを深く被り歩を進めた。

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