暗闇で恋しましょう
第25章 救われたんだ③
「……昔は、そうだったんだよ。でも、なんかもう疲れちまって。そうやって、いることに」
勝てないついでと言わんばかり、聞かれてもないのに自分を語る口。
どうせ返ってくるのは薄い反応。
分かっているから、時計を確認して立ち上がる。
昼休みもそろそろ、終わりだ。
「いいんじゃねーの。別に。誰だってあるだろ。休憩することくらい。それが短いか長いかだけで。お前、相当な距離走ってたみたいだし、もうちょい休憩しとけば?」
予想外過ぎる言葉に呆然とする男の脇を、甘夏が欠伸をしながら過ぎていく。
あれは、慰めのつもりだったのだろうか。
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