
暗闇で恋しましょう
第25章 救われたんだ③
ぷっと口の中に広がる血の味を唾ごと吐き出す。
喧嘩は慣れていた男だったが、流石に3年生5人はきつかったらしい。
完全な敗北。
そこら中傷だらけのアザだらけになってしまった。
いってぇ………
ほんと、なーにが彼氏いないよ♥だ
こんな時に限って、女との会話を思い出す。
正直、男にとってこんなこと1度や2度の話ではなかった。
抱いた数だけ問題っていうのは現れて。
今回の問題が相当重くきつかったってだけ。
俺、これ帰れるのか?骨いってるような気がしてならねぇ
ま、どれもこれも自業自得なんだけど
はぁと漏れる息と同時くらい。
“うわっ……”
そんな声が、男に耳に入る。
すかさずそちらに視線を向ければ、そこには嫌そうな顔の見知らぬ男が立っていた。
