言葉で聞かせて
第13章 言葉で聞かせて
そしてほぼ抵抗ができない僕の鼻をつまむと、口に手に握っていた何かを放り込まれた
なんだろ、これ
錠剤……みたいな……
薬!?
すぐに吐き出そうとしたけれど、それより速くエリカさんが僕の口に水を流し込んできた
「!?」
息できな……!!
水が溢れないように口も塞がれ、手も使えない僕はそれを飲み込むしかなかった
「……っぐ……ッホ、ゴホッゴホッ……ッ……」
「はぁ、はぁ、はぁ……」
男1人を押さえ込んで荒い息をつくエリカさんに、危うく地上で溺死するところだった僕
2人とも無言の時間が続く
すると暫くして呼吸の整ったらしいエリカさんが勝ち誇ったような笑みを浮かべた
「今、飲ませたのはね……」
わかってる
どうせ
「媚薬よ」
「……」
「結構強力なやつなの。貴方に抑えきれるかしら」
自分の力でもないくせにどうしてそんなに強気になれるんだかわからない
まだ荒い呼吸を繰り返す僕は、回らない頭でもそんなことを考えていた
「即効性のはずだけど、そこまで効き目が早いわけないわよね。まだかなぁ?」
エリカさんは鼻歌でも歌いだしそうなほどご機嫌に僕自身をそっと撫でる
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