言葉で聞かせて
第11章 記憶
その顔を見て敦史も意味がわかったのか首の後ろを掻く
「まじかよ……」
そして
「でも、俺が受けなのが気に入らねぇ」
と言って、今度は敦史が僕を引き寄せた
「!」
驚いて薄く開いていた唇を割って敦史の舌が入ってくる
ぬるりとした感触に背筋をぞくぞくとした何かが走った
歯茎を辿られたり舌を絡められたりするところは普通のキスと同じ
だけど
「っん……ふ、ぅ……!?い……っ、た……あつし!」
敦史の少し乱暴なキスはいつの間にか僕の舌を甘噛みと言うには少し痛みが伴うほど噛んでくるようになった
痛みに反応して筋肉が強張り口が開くと「よく出来ました」と褒めるように甘美に絡められる舌
これは確かに、女性を虜にするだろうな
強く吸い上げられて身体から力が抜ける感じがすると、力強い腕で腰を支えられる
僕がしたのと同じくらいの長いキスを終えて離れると、僕も呼吸を奪われていたことに気づく
「は……はっ……っ」
いつの間にか敦史のペースで呼吸させられてたのか
上手いな
悔しい
少し強めの視線で敦史を見ると敦史は悪びれた様子もなくべ、と舌を出している
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