アタシとアイツ【短編集】
第1章 1.先輩の本性
「ご、ごめん//」
私が先輩の胸の中でもぞもぞ抵抗すると先輩はパッと私から離れ
私に背を向けた
もしかして、嫌がられたと思った?
「先輩!私も、先輩のこと…」
誤解を解こうと先輩の正面に回ると先輩は制服の袖で口元を隠して
「ストップ!!」
そう叫んだ
私はピタッと足を止める
「ごめん、ちょっとやばいから近寄らないで」
えっ?
嫌われた?
「すみません」
ずうずうししいことをしてしまった
ちょっとかわいいって言われたからって調子に乗ってしまった
私は下を向き、一歩後ろに下がる
「ち、違う!
あーもう!」
先輩が何か言っているが落ち込んでしまった私の耳にはほとんど届いていない
その瞬間、私の体が再び暖かい腕に包まれた
「何か、勘違いしてんだろ?」
えっ?
「もう、俺、理性保てそうにないんですけど」
えっ?
そう言って唇に触れる何か
ソレは、暖かくて、柔らかくて
とても優しかった
「せ、先輩?」
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