
20年 あなたと歩いた時間
第4章 18歳
「次の桜の頃には、みんな新しい生活が始まってるんだな」
「…そうだね。一年なんてあっという間だよ」
「受験が終わるまで大変だけど、おれたちの時間は大切にしような」
流星は上を向いたまま、
そう言って私の手を握った。温かくて、
骨ばった大きな手。
幼なじみの関係だけではなくなって
もうすぐ二度目の夏が来る。
流星は、いつも私を不安にさせないように、
ちゃんと言葉で伝えてくれる。
例えば勉強の合間に毎日五分だけ
電話をしてくれたり、塾に行く途中に
うちに寄ってくれたり。その時必ず、
好きだよと言ってくれる。
いつも照れながら、小さな声で言う流星が
たまらなくいとおしく感じるのだ。
「あーーー!」
流星がいきなり立ち上がって叫んだ。
次の瞬間、振り返って体を曲げて、
素早く私にキスをした。
「りゅ、流星!ここ、外だよ!」
「わかってるよ。ずっと我慢してたんだから、いいだろ」
「…私も」
素直にそう言うと、
流星はとてもうれしそうに笑って
私の両頬をその手ではさんだ。そして、
今度はゆっくりと口づけた。
「りゅーせーい!のぞみー!アイス、どれがいいー?」
遠くから真緒の声が聞こえる。
「んっ、りゅう…せい」
やわらかな舌が絡み合うと、
流星の味が口の中に広がった。
心が、感じる。…ずっとこうしていたい。
「のぞみ…?おれの家、来る?」
考えていたことを読まれたみたいで、
恥ずかしくなって慌てて流星から離れた。
「…でも、真緒たち…」
「大丈夫だって。あいつらも同じだからさ。その前に、ちょっと走ってくる」
「…そうだね。一年なんてあっという間だよ」
「受験が終わるまで大変だけど、おれたちの時間は大切にしような」
流星は上を向いたまま、
そう言って私の手を握った。温かくて、
骨ばった大きな手。
幼なじみの関係だけではなくなって
もうすぐ二度目の夏が来る。
流星は、いつも私を不安にさせないように、
ちゃんと言葉で伝えてくれる。
例えば勉強の合間に毎日五分だけ
電話をしてくれたり、塾に行く途中に
うちに寄ってくれたり。その時必ず、
好きだよと言ってくれる。
いつも照れながら、小さな声で言う流星が
たまらなくいとおしく感じるのだ。
「あーーー!」
流星がいきなり立ち上がって叫んだ。
次の瞬間、振り返って体を曲げて、
素早く私にキスをした。
「りゅ、流星!ここ、外だよ!」
「わかってるよ。ずっと我慢してたんだから、いいだろ」
「…私も」
素直にそう言うと、
流星はとてもうれしそうに笑って
私の両頬をその手ではさんだ。そして、
今度はゆっくりと口づけた。
「りゅーせーい!のぞみー!アイス、どれがいいー?」
遠くから真緒の声が聞こえる。
「んっ、りゅう…せい」
やわらかな舌が絡み合うと、
流星の味が口の中に広がった。
心が、感じる。…ずっとこうしていたい。
「のぞみ…?おれの家、来る?」
考えていたことを読まれたみたいで、
恥ずかしくなって慌てて流星から離れた。
「…でも、真緒たち…」
「大丈夫だって。あいつらも同じだからさ。その前に、ちょっと走ってくる」
