齧りかけの林檎
第15章 ● 君の気持ち ♂side
「はい、
ティッシュ持ってきましたよ。
やっぱりゆりさんは
おこちゃまでちゅねー」
もう一度彼女を後ろから抱きしめると、
さっきまで静かに泣いていたのに
今度はうわんうわんと
声をあげて泣き始めた、ゆりさん。
どっちが年上なんだか・・・。
「わたしが、おばちゃんになっても
すき?」
ポツリと言う彼女。
言ってる意味がよくわからない。
結婚してもってこと?
「わかんないけど、すき」
ごめん、自分からすきになったこと初めてで
どうしたらいいのかもわからないのに、
先のことなんてもっとわからないよ。
でもずっと、ずーっと、
ゆりさんと一緒に居たいよ?
「わがんないのー、やだー」
なんなの、ほんと。
泣くのか、喋るのか、
どっちかにしなよ。
かわいすぎて、
今すぐ押し倒したいんですけど。
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