齧りかけの林檎
第1章 ● 真っ赤な君 ♀side
濡れたせいで肌にピタッとくっついている制服を
タオルでトントンと水分を吸収しながら
「冷たいよね、
おうちに帰ったら
すぐにお風呂にでも入って温まるんだよ」
わたしはこの子のお母さんだろうか?
いやいや、まだお姉さんだろ。
お母さんとは言わせない。
ふと彼の顔を見ると
さっきよりも真っ赤になったようで 、
顔から湯気でもでるんじゃないか?と思ってしまった。
11月の雨の降る夕方、
この時間になるとさすがに寒い。
やっぱり気温差で顔から湯気出るんじゃないか?この少年・・・
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える