私のこと知らないくせに。
第3章 犬と私と猫。
私はいま高校生になった。
今ではいじめの原因だったものの真逆をしてるけど
それでも、いじめはなくならない。
でも、前より全然こんなものなんとも思わない。
私はデブでいなきゃいけない。
そうあの時誓ったんだから。
「新入生さん、いらっしゃい♪」
そういいながら、私の胸元に
新入生とかいたバラの飾りを付ける。
「なんか、新入生のみんな
あなたのこと見る目怖いよね。なんかあったら言って?」
そう耳打ちで言われた。この人は、3年の華(はな)って人。
「はい、ありがとうございます。」
「じゃ!笑顔で入場しといでねぇ♪」
この人も、あの時と同じなのかな。
ドンっ
ドタッ
「いたっ」
思いっきり、押されてお尻から地面に倒れた。
「なぁーに。華さんと話してんの?
あんたが、あの人と話していいわけ無いでしょ!」
「いっ」
凄い力で髪を引っ張られる。
「…ぃ、たいっ」
こーやって、反応するから相手は楽しむのに
腕を切る痛みなら慣れたのにな。なんでだろう
「おい!なんか言えよ!!」
『きゃははは!!』
クラス中が私のこと見て笑ってる。
なにが、楽しいんだろ?
私なんかしたの?アンタたちに
私のこと知らないで、後で後悔させてやるから
バシッ
「いだっ…何すんのよ!!」
いきなり、女の手が離れたと思ったら
ふわっと、洗剤のような甘い香りに包まれる。
暖いな、いつからだろ。この暖かさを忘れたのは
「てめぇらさ?何が楽しいの?」
私の頭上から、ドスのきいた男の低い声が聞こえる。
「え…その」
弱々しく、顔を赤くさせて目を泳がせる女。
「だーかーら、何が楽しいのかって聞いてんだけど?」
この人は、なんで怒ってるんだろう?
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