ミルクチョコレート
第5章 レンタルショップの現状
数分後、ふたりめの客がレジに近づいてきた。
(きっとこれからスイッチを入れるつもりね)
私はしっかりと構えたのだが
「いらっしゃいませ」
(あれ、動かない…)
不思議に思いながらも、いつも通り接客していく。
「540円になります」
そうして油断していると
「あっ…!」
客からお金を受け取る瞬間、入れられるスイッチ。
つい声を漏らしてしまった。
「コホンッゴホッ」
咳払いをして、何とか誤魔化せたみたいだけど。
(少しも油断できないわね)
「ありがとうございました」
客を見送るも、ローターが止まることはない。
それからしばらく私の中で動き続けた。
もちろん、その分だんだんと身体は火照っていく。
(やばい、このまま続けられたらイッちゃう…!)
さすがに、何食わぬ顔でイクことはできない気がする。
(店長…止めて…)
声の我慢もそろそろ限界だ。
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