ミルクチョコレート
第2章 はじめてのオモチャ
その日の夜。
「ただいまー」
「おかえりなさーい」
旦那は帰宅すると、そのまま洗面所に向かった。
彼はいつも帰宅すると真面目に、手洗いうがいをしに洗面所に行くのだ。
少しだけドキドキした。
リビングで旦那を待っていると
「お前、電動歯ブラシなんて買ったのか?」
「えっ?!」
予想以上に早く見つけられ、少しだけ怪しい反応をしてしまった。
「洗面台に置いてあったけど」
「あ、うん、なんだか急にほしくなっちゃって」
「ふーん…」
彼は特に気にしている様子ではなかった。
(ふぅ、焦ったー)
「ていうか俺のは?」
「あ、ダイスケくんもほしいの?」
「いや、別にそういうわけじゃないけど。
自分の分だけ買うとか、なんかズルイじゃん」
そう言って子供みたいに口を尖らせる。
(可愛い…)
「ふふ、ごめんね。
明日ダイスケくんの分も買ってくるね」
(よし、絶対バレなさそう!)
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