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秘密の時間は私のもの

第21章 説明してもらおうか

俺も悪い奴だ。



「それは......普通に、ごめんなさい.....
僕の理由、上野にとって酷なものなのかな....」

「いや、絶対違う」



言い切る上野から何故か疲れが見える。



「そ、そう?」

「そう。だからお前の理由を教えてくれ」

「......うん...」



ちらりと俺を見る颯太。


それに気付いた上野がまさかといった顔をする。


かくいう俺はその視線の意、全く分からんのだが。



「......上野と、付き合えるのは嬉しいこと。だけど、どこかそれを素直に喜べない自分がいて
それっていうのは、やっぱり」



上野の顔が見る見る暗くなっていく。


滝波の顔はそれに反し、見る見る輝きを増す。


そして俺はやはり分からん。



......俺、鈍感なのか?



1番の部外者である筈の滝波が分かっているのだから


否定出来ない事実なのかもしれない。


それにしたって、滝波は状況を理解しすぎだ。


理解するだけの情報をどうやって.....


場違いなことを考えていると、颯太の息を吸う音。


颯太に視線を向ければ放たれる言葉。



「やっぱり、ルール4があって....
僕に亞と離れたくないって思いがあるからだって思ったんだ」



ドキン....



え.....それってどういう.....



自分に似合わぬ音。

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