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最後の恋は甘めの味で

第14章 逃げる

暁が困ったように言葉を探しているうちに席を立つ。


「理由は、なんとなく察しついてるから......でもそれは長年付き添ってきた私だから分かるの。上條くんはきっと分からないわ」


悲愴ぶって言葉を紡ぐ。



嘘をついたけどこれでおあいこよね



何か言いたそうな暁によく考えなさい、とだけ口添えして、お勘定を置いて店を出た。


冷たい風を受けながら歩き出す。





「.......舞台は作った。後はあなた次第よ。上條くん」







上條くんとの会話を思い出して、私はにやける口元を抑えることができなかった。

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