
溺愛禁止。
第14章 届かぬ想い
「恋実っ!!」
急に聞き覚えのある声で名前を呼ばれ
そっちの方を見ると
…健太?
表通りまで声が聞こえていたのか
お店の裏口に居る私達の所へ近付いてくる。
「今日でここ、終わりだろ?
迎えに来たんだ。
二人で飲みに行こうぜ?」
また…急に…。
「それじゃあ…俺、行くわ…。」
「…え?」
蓮君、待って…。
「お疲れさまでした。
今まで恋実がお世話になりました。」
「…。」
健太の言葉に返事もせずに蓮君は
私に背を向けて歩き出した…。
待って…
お願い…
まだ…
行かないで…。
