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曖昧☆Bboys

第62章 和解

「いえ、お父さんはこれから来ますから」


バツが悪そうに頭を下げる。


「あ、そうなのね、間違えちゃった。じゃあ、平泉さん、こっちへ」


「はい。


…霧人、ありがとう」


「ああ…」


ちょっと照れくさそうにポケットに両手を入れて頷いた。


私は陣痛に耐えながら腰を屈め、分娩室に足を向けた。


「美咲っ!元気な子産めよ!」


「任せて!」


私は笑顔を見せ分娩室の扉の中に向かう。


私は最後まで霧人に甘えてしまった。


だけど心は晴れていた。








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