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曖昧☆Bboys

第17章 甘くて切ないドライブ

「美咲!こっち」


助手席の窓が自動で下がり中から霧人が呼んだ。


私は道路を渡って急いで車のドアを開け、乗り込んだ。


「びっくり!車あるんだね」


「大人ですから」


と霧人は少し得意気に口角をあげ私を見た。


「おっ、髪切った?」


「うん!」


「可愛いよ、よく似合ってる」


ストレートに褒められ嬉しくなる。


「ありがと」


霧人は優しく微笑んで、ウインカーを出した。


「ドライブしよう」


「うん!」


赤いアウディは本線に入り、夕方の都内を走り出した。


ハンドルを握る霧人にちょっとときめきながら、暮れかかる都内の景色を見つめた。






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