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監視 ~愛~

第1章 気になる存在から恋へ

 葉月は何も答えない。
「無責任すぎないか?」
「そうかもな」
 葉月の表情は冷たい。でも、それしか方法がなかったと思っているのだろう。
 後悔の念が全く感じない。
「申し訳ないという気持ちは、あるんだ。智則だけじゃなくて、多分田中先生も傷つけた」
 田中先生。
 その言葉に過剰反応している自分がいる。
「でも、あの時はああするしか、自分を平常心に保つことができなかった」
 イライラが止まらない。
「自分勝手な言い分だな」
 いらだちを隠すことなく、吐き捨てるように言う。
「その通りだとは思う」
 でも・・・。
 でも、それしか方法がなかったと?
「お前は自分の行動の責任を負うべきだ」

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