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第1章 働きはじめたワケ
カーテンから薄明るく光が入ってる
朝から電話が鳴った。
重たいまぶたを手でこすりながら
スマホの画面を見た。
お店からの電話だ。
「おはようございますzzz...」
『すいません、朝早くからf^_^;』
このペコペコ謝るのは新入りのボーイだ。
「今日は夜8時出勤ですよ。
昨日ラストまでいて帰ったの2時ですよ。
まだ寝てから2時間も寝てないんですよ。」
とちょっと機嫌悪く言ってみた。
ちょっと威圧を感じたのか
『すいません、僕も悪いと思ったんですが...』
なにか言おうとしてた瞬間、
受話器の向こうからガチャっと音がした。
『おはよう。希空(のあ)ちゃん。
今日8時入りを6時入りにして。
今日のお給料にちょっと付けるから。』
店長の声だ。
店長の命令だから断れないし、
たぶん、だれか出勤やめたんだな。
まぁ、早出の手当てもらえるから
こっちとしたらいいけど。
「わかりました6時ですね。
じゃあ、5時30分に迎えお願いします。」
『りょーかい。
5時に電話入れるね。
じゃあ。』
電話が切れたと思ったら、
店長の怒鳴り声が聞こえてきた。
『女の子ちょっと早出させるぐらい
はっきり言え。だからナメられるんだ!』
ドンっ!
机を叩く音がして、
慌てて電話を切った。
たぶんあのコ怒られたんだ。
あと、6時間寝れる。
重たいまぶたがまた落ちていった...
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