
シュールな関係
第11章 複雑なる交差点
だが不思議にも
以外とイライラしねぇ。
金を要求してこようが
アイツは俺の顔色を窺って
媚うるような女じゃねぇから
なのか?
それとも俺が奈緒に興味を
持ち始めているからなのか?
どちらかと言えば俺の方が
一緒に飲んでて
もっとこいつと話してみてぇ
もっとこいつを知りてぇって
心を躍らされて
楽しんでいた感覚だ。
俺は今、大学の講義室で論文を
仕上げている最中だか
あいつの事を考えると全く手に
つかねぇ。
講義室から見える景色は
11月なのに不自然なくらい
空が澄み切っていて
俺の曇った心をますます
惑わせやがる。
「おい 大和
こんなとこにいたのか?
なにボケ~としてさっ
女のことでも考えてたのか?」
口角をあげながら一磨が声を
掛けてきた。
一磨は俺の昔からの親友。
親父が銀行の頭取で金もあるし
羽振りがいいヤツ。
俺と同じ自由な感覚を持ち
俺は気を使わないこいつが
好きだ。
こいつは爽やかそうな外見で
モテるけどかなりの女好きだ。
いつもコンパや女がらみの事を
仕掛けてるのは一磨だ。
「大和 合コン行くだろ?
今日はモデル並みのいい女が
揃っているぞ」
一磨が声を掛けてくるが
何だか今日は今一乗り気が
しねぇ。
