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顧みすれば

第38章 愛の行方

ーーさて、どうしよう。


私は携帯電話を取り出した。


「紗英?」



「お母さま、もう1週間ほど

 子供たちのことお願いしていいかしら?」
 


「かまわないけど

 直哉さんには会えたの?」



すこし言葉に詰まった



「直哉さん 

 女性と一緒にホテルに戻ってきたわ」



「そう。まあそんなもんでしょうね」



「お母さま...」



「当たり前でしょ。

 あなたどれだけ直哉さんのこと

 放っていると思ってるの?」



母の言葉が胸に刺さる



「わかっているわ。

 わかっているけど...

 実際に目の当たりにすると

 冷静ではいられない...」


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