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顧みすれば

第38章 愛の行方

「家族ってさ いろんなことを乗り越えて

 家族になっていくんだなと思うよ」


奈々がしみじみ言う


「私からみれば亜美は羨ましいよ

 ベビーシッターもお手伝いさんもいて

 大変なことは

 みんな周りがやってくれるでしょ」


「うん...」


その通りだ。私の不満なんて...


「でもなりたいかと言われたら

 私は無理だわ。


 皆が羨むお金持ちだけど

 社交もしなきゃいけないし

 子供の教育だって

 私たちのようにはいかない

 常に山下財閥が後ろにちらついて

 何をしても山下財閥だからと言われる


 常務は常に忙しくて側にいてくれないし

 
 寂しいと思うよ」



「奈々...」



「それぞれ大変なのよ

 みんな頑張ってる

 私も亜美も常務も ダーリンも♪」


奈々が石田さんを見つめる。

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