「俺は、男だ!クソ野郎」
第1章 俺は“男”だって!
すると、次の瞬間少しだけ
押さえつけられている力が弱くなった。
力を振り絞れば俺の両手は
スルリと放れてくれそうだった。
でも、両手が自由になったとしても
足がみっちり固定されている。
あっ。
…足が動かねぇと意味ねぇじゃん。
はぁ
「どうなるだよ、俺…」
ため息を溢しながら言う。
「だったら、早く証拠見せろよ」
…証拠……ねぇ?
ふと、思いついた。
もうアレしか方法はねぇよな。
男だと分かれば、こいつらも
血相を変えてどっか行ってくれるだろう。
そして、俺はある行動に出た。
バシッー
力ずくで両手を男の手から抜け出し、
自分が着ているシャツを思いっきり
引っ張った。
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