「俺は、男だ!クソ野郎」
第5章 鬼ごっこ…?
「ねぇ…。み・さ・きちゃん…どこ行くの?」
俺は、笑顔を崩さないまま、
後ろから逃げようとしている岬に声をかける。
そしたら、ピタッと止まった。
「ちょ、ちょっと…トイレ…」
「今、“杉本岬”って言われてたよね?どうゆうことかな。…ん~?」
「はぁ?あんなのただの同姓同名だろ。俺の名前は、よくある名前だって言ってたし!それに、生徒会には捕まってねぇよ!」
平気な顔をして言い張る。
「生徒会には…?てことは、誰かに捕まれたのは確実なんだね」
「…あっ」
しまったというような顔をする。
一応、俺、今笑顔だけど
許さないよ?
「あとね、一年の姫っていったら、岬しかいないじゃん。バカなの?ほら、言ってみ」
「バ、バカじゃねぇよ!つか、姫だと?お、俺は、男だ」
あぁ
岬は、本当
何もわかってない。
「とりあえず、岬を捕まえたのは、誰?」
俺がそう問いかけると
ごくっと息を呑んで岬は
決心した顔をする。
「こ、この前…図書館で会った先輩…。誰にも捕まってないって嘘ついたのは謝る!だけど命だけは…」
そう言いながら
地面に足をつける岬。
…これで辻褄が合った。
ひとことで言うと
最悪なパターンだ。
「あの先輩に近づくなって言ったよね?」
「お、俺から近づいてねぇよ!」
「言っとくけど、そいつ…生徒会だよ?」
「えっ…」
岬は、やっとここで
気づいたようだ。
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