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好きになっちゃだめッ!!

第9章 黒い影

私たちがどこの孤児院に入っていたか、何歳までいたか、錦織家に至るまでの全ての経由がそこに書いてあった。


めまいのする文字の量で。


うそ…うそよ…


『だって、翔太は小さい頃体が弱くて…叔母の家で療養してたって…お父さん言ってたじゃん…。違うの…』


「俺…小さい頃の記憶がないんだ。わからないけど…六歳ぐらいからの記憶しかなくて…」



もう一度紙を見る。



『悪ふざけよね…』


「たかが、悪ふざけには手が込みすぎてないか?」


それにと紙を指す。


「そこに書いてある孤児院も昨日調べたらちゃんとあったんだ…いたか、いなかったかすぐバレるような嘘つくとは思わない」


それは、私も思っていたこと。


これが嘘なら、すぐバレるはずだ。


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