テキストサイズ

ワタシの履歴

第34章 複雑

私は、一応まだ晃史くんと付き合っている事になっていた。

晃史くんとは、温泉旅館でに住み込みの時や、雪山に篭っている時は会ってはいなかったが、頻繁にあるメールはもちろんしていたし、たまに掛かってくる電話もしていた。

でも晃史くんは【セフレ】と思うようにしていたし、高田くんの事を嫌いになった訳でもなかった。


高田くんは自己流で滑っていたため、私やクラブの人の滑りを見て、自分も上手くなりたいと言った。

だから私はクラブで教わった事なども織り交ぜ、私の分かる範囲で彼に教えていた。

ある時、高田くんに私が言った。

「明日私はいないけど、1人でも練習してね?」

と。

すると高田くんは

「輝子ちゃん居ないならやる気起きないな…」

と言ったのだ。

私は1人でもずっと練習をしていた。

なのにそんな事を言われ、物凄くガッカリしたのだ。

普通付き合っていたなら、喜ぶような言葉なのに。

「何言ってんの?そんな気持ちならもう教えない」

そう言う私に、

「ゴメン、貴重な時間割いて教えてくれてるのに…」

と言った高田くん。

結局彼は1級まで取る事が出来たが、私の中では完全に彼氏としては見れなくなっていた。

そう、自分に気付かされた出来事だった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ