手探りな絶望
第4章 野球
照れて笑ったり
小さな声で話したり
俺から
目線を外したり…
俺が初めて見た
佐々木冬実は
きっと
男のせいで
あんなことになってたんじゃ
ないかな
無理強いされてたんじゃ
ねぇのかな…
目の前の佐々木冬実が
本当の佐々木冬実としか
俺は
思えなくなってきていた
グラタンさん
ヤバイよ
俺
佐々木冬実の
仕草
ひとつひとつに
小さな声で
つぶやく言葉
ひとつひとつに
なんか
魅かれて
仕方ねぇ
封筒の中の二万が
なくなるまで
告白なんて
しないつもりだったけど
早く
手ぐらい握てぇとか
思ってんだ
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