手探りな絶望
第6章 溺愛
次第に
外は暗くなり
そろそろ
食事に出かけることにした
「何食べたい?」
一応
冬実にお伺いを
たててみた
なんでも・・
そんな答えが
帰ってくるだろうと
思って
あれこれと
女の子が好きそうな店を
思いめぐらせていると
冬実が
変なことを言い出した
「藤沢さん」
「ん~?」
「封筒の中
いくら残ってますか?」
「え?あ、あ~っと・・
5000円くらい・・かな・・」
適当だ。
わざわざ
封筒からなんて
金は出してなかったから。
「じゃあ
今日で全部・・
使っちゃいそうですね」
「あ、あぁ・・まぁ」
「グラタンがいいです」
「グラタン?
前に行った店?」
「はい」
「どして?」
「おいしかったから
もう一回・・食べたいです」
「わかった。いいよ」
大丈夫
今日が最期じゃねぇ
もう一回なんて言わず
何回でも
連れてってやるよ
でも
行こうな
丁度いいかもしれない
初めて
2人で食事した場所で
告白すんのも。
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