仮彼氏。
第10章 媚薬。
―数週間後―
「ふぁぁ…」
あくびをしながら黒板を写す
6時間目に古典の授業を持ってくるなんて、ここの先生は意地悪だ
キーンコーンカーンコーン
「はい、じゃあ今日はここまで」
「きりーつ、れーい」
気の抜けた号令で、皆それぞれ散らばっていく
私も帰る準備するか…
「降りそうだな…」
なんとなく窓の外を眺めると、濃い灰色の雲が空を覆っていた
梅雨入りしたって言ってたしな……
「…千晴」
「あ、銀」
肩を叩かれ振り返ると、眠そうな顔をした銀が立っていた
「今日一緒に帰ろう」
「うん…!」
やった!!
最近体育祭とかでバタバタしていて、あまり一緒に帰れてなかったからすごく嬉しい…!
「おーい、月曜の連絡するから早く席つけー」
澤村のダルそうな声に二人でクスッと笑い、自分の席に座った
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