恋してキスして抱きしめて
第25章 バカップルで、いいんです
「おいで」
「…………!」
ゆっくりと手を引かれて、体を前に倒して
あたしの体は、ユーリさんの胸にすっぽりと収まった。
トクトクと、鼓動が伝わってくる。
「……あのさ、ちーちゃん。
夏輝の奴、自分の恋を応援してとか言ってたけど。
本当にちーちゃんに絶交するなんて言われたら、マジでショック死すると思うんだよね」
「…………!」
「あいつ、あぁ見えて実は繊細だから」
あたしの髪を撫でながら、頭の上でユーリさんの優しい声が響く。
「実際俺も引きまくってるけど。
それでも、お互い大切な存在であることには変わりないだろ?
ちーちゃんにとって、たった1人の兄貴で
俺にとっては、一生続く友人なんだ」
「………っ」
「今まで通りの関係を続けてくれるかは、あいつ次第だけど」
……そう言って笑うユーリさんの言葉のひとつひとつが、心に沁み渡って
お兄ちゃんの笑顔が浮かんできて
なんだか、涙が溢れてしまいそうだ……
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える