無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「ね、お願い‼︎ 」

その隙に、降ろされかけた荷台へと再び跨る蘭。


「はぁ？ やだね。降りろ」

「やだぁっ」

またも2人の睨み合いが始まる。


そうしているうちに、時間は5分経過している。

チラリと携帯の時計を確認したむぅは声を荒げた。

「俺だって遅刻しそうなんだよ！ お前が乗ってたらスピード出ねぇだろうが！」


「じゃあ一緒に遅刻しようよ！ 1人で教室入り辛い〜」

「冗談は顔だけにしろ」

ギリギリ…と、荷台から降ろそうとするむぅと荷台にしがみつく蘭の荷台の取り合いが続く。


「朝っぱらからイチャついてんなよ」

2人の横をむぅの兄の次男 たぁが車で通り抜けて行く。


「急がないと本当に遅刻するぞ」

そう言いながら、長男 とぉも無常にも車を発進させる。