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「くっ付いちゃいなよ。そしたら、諦められる……」

「え？」

最後の方に急に小さくなった和佳の声が聞き取れず、蘭は聞き返す。

だが、和佳は笑顔を返す。


「蘭、何歌う？」

「え？ あ…っと……」

蘭が悩んでいる間に、

「和佳ちゃん、一緒に歌って♡」

裕貴が、和佳にマイクを渡し前の方へと連れ去って行く。


ホッ…っと小さく溜息を吐いた蘭。

気付けばまた、蘭の視線はむぅへと向けられていた。