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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第11章 第一部第三話【月戀桜~つきこいざくら~】 疑惑

「えれえ別嬪の情人(いろ)を持って、栄さんも幸せなヤツだぜ」
 また勝手に喋り、去ってゆく。
 その日は早い春を予感させるような小春日和のうららかな一日であったにも拘わらず、一瞬、身の側を薄ら寒い風が駆け抜けていったようだった。

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