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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第7章 第一部・第二話【赤とんぼ~小紅と碧天~】

 ここの辺りは日中でも殆ど人気がないため、実は男女がひとときの逢瀬を愉しむ場所としても知られているのだ。幸いにも今は誰の姿も見当たらない。小紅は誰が書いたとも知れぬたくさんの絵馬を眺めながら、ひそやかな吐息をついた。

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